幼馴染ですでに一緒にバンドをやっていたジュリアン・カサブランカス&ニコライ・フレイチャーのコンビに、ニック・ヴァレンジ&ファブリツィオ・モレッティのこちらも幼馴染コンビが出会う。その出会いは全員が通っていたNYのアッパーウェストサイドにある学校だったそうだ、そこにLAから映画の勉強にやってきていたアルバート・ハモンド・ジュニア加わり1999年にバンドは結成される。アルバートがマネージャー役を務めながらライヴをブッキングしたり、リハーサルを重ねながら3曲分のデモ・テープを録り、以前からファンだったレーベル、ラフ・トレードの社長ジェフ・トラヴィスに送ったところ、そのテープを聴いてすぐに気に入ったジェフはバンドと契約。ザ・ストロークスとして3曲入りのシングル“THE MODERN AGE”を2001年1月に発表する。抜群のソングライティング・センス、バンド・アレンジメントの妙、気だるい雰囲気の中にずっしりと伝わるものがあるジュリアン・カサブランカスのヴォーカルが、ほぼ一発録音で収められたそのデビュー・シングルは、ザ・ストロークスの魅力を生々しく伝えることとなり、英国で人気が爆発。英国の音楽誌はこぞって“NEXT BIG THING”としてザ・ストロークスを取り上げる。
アルバム・リリース前にして有力誌の表紙を飾るなど、その人気振りはハイプとも揶揄され、実力よりも人気先行、話題先行のバンドとも言われる中、デビュー・アルバム「イズ・ディス・イット」を2001年8月に発表。その雑音、偏見を見事に封じ込めた。 2001年夏のサマーソニックに来日を予定していたがキャンセル。02年2月、遂に日本上陸を果たし、大阪、名古屋、東京で来日公演を行った。チケットは発売と同時にソールド・アウトとなり、チケットを手に出来なかったファンの熱い要望により急遽、当初より大きな会場に変更されるというハプニングもあった。 03年10月に、世界中から注目を集める中、セカンド・アルバム「ルーム・オン・ファイア」を発表。センスと勢いで一気に作り上げた荒削りともいえるデビュー作とはまた違った、より洗練され、ポップなアート性とロックンロールのダイナミズムを兼ね備えたこの傑作からは「12:51」、「レプティリア」などのヒット曲が生まれ、その人気と評価を不動のものとした。このアルバム発売前の03年8月にサマーソニックにヘッドライナーのレディオヘッド前で出演。わずか2年前の出演予定時はサブ・ステージのオープニングだったことを考えると、このサマソニ出演は、わずか2年の間にバンドが獲得した高い評価と、彼ら自身の異例の成長振りを証明したといってもいいだろう。その後、再来日公演も期待されたが、バンドはツアーを早々に切り上げ、地元NYで3rdアルバムのレコーディングに入る。 約1年をかけて制作された「ファースト・インプレッションズ・オブ・アース」には、練り上げられた凄まじい完成度を誇るザ・ストロークス・サウンドが、まさに敷き詰められるように収められている。ニックとアルバートの2人のギター・プレイヤーによって練り上げられた、刻々と変化し、絡み合うギター・サウンド。多彩な表情を見せるベース・ラインはクールに的確にポイントを押さえるセンスの良さを見事に発揮しながらも、時にうねるようなグルーヴを生み出し、ファブのソリッドかつタイトなドラムはこれまで以上に雄弁にザ・ストロークスのサウンド・スケープをスケール・アップしている。さらに一聴してわかるほど、広いレンジとパワーを獲得したジュリアン・カサブランカスのヴォーカルと、彼の世界を正確に描写することに成功したソング・ライティングが、飛躍的なスキル・アップを遂げたバンド・サウンドと絶妙に融合することによって、その表現力は極限まで高められ、バンドの世界観が我々によりダイレクトに伝わってくる。「ファースト・インプレッションズ・オブ・アース」は、過去の2作同様、もしくはそれ以上にザ・ストロークスらしさは何かということを我々に印象付ける作品となった。メンバー5人がそれぞれに、そして同時に奇跡的な成長を遂げたことによる見事な構築美をみせた今作は、他のいかなるバンドともアーティストとも比べようの無い彼らならではの「オリジナルなアート」であり、聴くものを素直に納得させるだけの力を持った音楽が収められている。 今作のレコーディングを終えると、バンドはこれまで以上に熱心にプロモーションを行う。5人のメンバーのこれまで以上に自信と誇りに満ちた姿は、そのままこの作品の充実振りを表しているといっていいだろう。アルバム発売を前に行われたワールド・プロモーション・ツアーの一環で訪れた日本では1000人も入らない会場でGIGを行い、チケットを手に入れることが出来た幸運なファンを前に新曲を披露するなど、そのプロモーション・トリップ自体が大きな話題となった。そして06年1月1日に発売されたアルバムは、すぐさまゴールド・ディスクを獲得。発売後に行われたUK,USツアーもチケット発売と同時にソールド・アウトとなっており、その人気は世界中でとどまるところを知らない。06年の今、ザ・ストロークスは最も来日公演が待ち望まれているバンドのひとつである。 |